2016年12月4日日曜日

史上最強打線


 名古屋打線の勢いが止まらない。

 第8節の成績は、


 石丸藤吉 21打数6安打
 古川清蔵 19打数5安打
 小鶴誠   21打数6安打
 吉田猪佐喜21打数5安打
 加藤正二 16打数7安打
 藤原鉄之助20打数8安打
 金山次郎 22打数8安打
 芳賀直一 21打数3安打
 石丸進一 8打数3安打


 レギュラー8人の成績は161打数48安打、2割9分8厘。石丸進一の8打数3安打を加えると169打数51安打でチーム打率は3割2厘となります。打撃不振の西鉄のレギュラーは132打数17安打、1割2分9厘ですから名古屋は西鉄の2倍以上の打線ということになります。

 一般に、昭和18年は使用球の質が悪くて「打撃不振の年」と言われていますが、事実は全く違うことが分かります。


 大本営発表には騙されないように気を付けましょうね。真実は当ブログにあります。



2016年12月3日土曜日

空前の混戦


 昭和18年ペナントレースも佳境に入ってきましたが、7月6日現在、名古屋が22勝13敗3分で単独首位、二位タイに朝日、阪神、巨人が21勝15敗2分で並ぶという空前の混戦模様となっております。

 名古屋はホームランバッターがズラリと並ぶ強力打線、投手陣ではベテラン森井茂が好調で、石丸進一が徐々にエースに成長してきています。


 朝日は竹内愛一監督のマジックが効いて好調をキープ。


 阪神は景浦将が戦列に戻って若手に刺激を与えています。


 巨人は須田博の病気による戦線離脱が痛く、中島治康監督の消極戦法も影響して第8節は5連敗。



18年 阪神vs巨人 5回戦


7月6日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 3 1 0 0 0 0 0 0 5 阪神 21勝15敗2分 0.583 若林忠志
0 2 1 0 0 0 0 0 0 3 巨人 21勝15敗2分 0.583 沢村栄治 藤本英雄


勝利投手 若林忠志 12勝4敗
敗戦投手 沢村栄治   0勝3敗

勝利打点 田中義雄 4

猛打賞 (巨)青田昇 2


沢村栄治 、最後のピッチング

 阪神は若林忠志監督が先発。巨人は沢村栄治 が今季3度目の先発、4度目の登板となった。

 阪神は初回、先頭の塚本博睦は右飛、金田正泰は投ゴロに倒れて二死無走者、御園生崇男が四球を選ぶと二盗に成功、玉置玉一も四球を選んで二死一二塁、ここから沢村はストライクが入らなくなり、門前真佐人はストレートの四球で二死満塁、田中義雄も押出し四球を選んで1点を先制する。


 阪神は2回、先頭の乾国雄が四球で出塁、武智修が送って一死二塁、トップに返り塚本博睦が右前にタイムリーを放って2-0、塚本が二盗を決め、金田の投前バントを沢村が一塁に送球するがファースト伊藤健太郎が落球して一死一三塁、金田のバントには犠打が記録される。御園生崇男が四球を選んで一死満塁、玉置の右犠飛で3-0、二走金田もタッチアップから三塁に進んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて4-0とする。


 阪神はこの日プロ入り初のスタメンマスクを被った木村由夫の若さを狙った走塁を見せた。


 巨人は2回、先頭の青田昇がセンター右にヒット、伊藤が左前打で続いて無死一二塁、木村の投ゴロをピッチャー若林は三塁に送球して二走青田は三封、小池繁雄が四球を選んで一死満塁、沢村が引っ張って一二塁間を破る2点タイムリーを放ち2-4と追いすがる。


 阪神は3回、一死後若林が四球を選んで出塁、乾は左飛に倒れるが、武智が四球を選んで二死一二塁、トップに返り塚本が中前にタイムリーを放って5-2と突き放す。


 巨人は3回裏、先頭の中島治康が中前打、青田がピッチャー強襲ヒットで続いて無死一二塁、伊藤の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってゲッツー、二死三塁から木村がプロ入り初ヒットを中前に放ち3-5と粘りを見せる。


 巨人は4回から沢村がベンチに下がり藤本英雄が登板、藤本は9回までの6イニングを1安打無失点に抑えたが6四球を与えた。


 若林は4回以降を無失点、7回には白石敏男、青田、多田文久三に中前打を打たれたが、センター塚本の好返球に救われた。


 若林忠志は11安打7四球5三振と荒れ気味ではあったが3失点で完投、12勝目をあげる。


 東邦商業出身のルーキー木村由夫は代打で出場した7月4日の名古屋に続いてこの試合では先発マスクを被り2打数1安打1打点を記録。木村のプロでの出場はこの2試合のみで、通算成績は3打数1安打1打点であった。


 沢村栄治 はこの日が生涯最後のピッチングとなった。3イニングを投げて2安打8四球無三振5失点。打撃では右前に2点タイムリーを放って意地を見せた。この後代打で出場することとなる布石となった打席であった。



2016年11月28日月曜日

18年 名古屋vs阪急 5回戦


7月6日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 3 0 0 0 0 0 1 6 名軍 22勝13敗3分 0.629 野口正明
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 14勝24敗 0.368 天保義夫

勝利投手 野口正明 3勝1敗
敗戦投手 天保義夫 5勝9敗

二塁打 (名)加藤、吉田2

勝利打点 吉田猪佐喜 6

猛打賞 (名)吉田猪佐喜 1


野口正明、プロ入り初完封

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉が四球を選んで出塁、古川清蔵の遊ゴロでランナーが入れ替わり、小鶴誠の右前打で一死一三塁、吉田猪佐喜の遊ゴロが「6-4-3」と転送されるが二塁セーフで一塁はアウト、三走古川が生還して1点を先制、吉田には打点が記録されてこれが決勝点、二死二塁から加藤正二がレフト線に二塁打を放って2-0とする。

 名古屋は3回、又も先頭の石丸藤吉が四球を選んで出塁、古川は左邪飛に倒れ、小鶴の遊ゴロをショート中村栄が二塁に送球するがセカンド上田藤夫が落球して一死一二塁、吉田の中前タイムリーで3-0、加藤が四球を選んで一死満塁、芳賀直一が中前に2点タイムリーを放ち5-0、藤原鉄之助は遊ゴロ併殺に倒れてスリーアウトチェンジ。


 名古屋は9回、一死後古川が四球で出塁、小鶴の遊ゴロをショート中村が失して一死一二塁、吉田の右中間二塁打で6-0とする。


 野口正明は3安打3四球2死球2三振の完封で3勝目をあげる。


 野口正明は戦後まで活躍することとなり、昭和27年の西鉄時代には23勝をあげて最多勝利投手となる。通算7度の完封を記録することとなるが、これが最初の完封勝利である。


 吉田猪佐喜が5打数3安打3打点で勝利打点と猛打賞を記録した。吉田は戦後、「吉田和生」として松竹水爆打線に名を連ねることとなる。



2016年11月27日日曜日

18年 大和vs西鉄 5回戦


7月6日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 1 7 0 0 0 0 0 9 大和 18勝19敗1分 0.486 石田光彦 広島清美
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 西鉄 12勝23敗3分 0.343 野口明


勝利投手 石田光彦 5勝3敗
敗戦投手 野口明     0勝2敗
セーブ     広島清美 1

二塁打 (和)岡田、小島
三塁打 (和)鈴木
本塁打 (和)苅田 2号

勝利打点 小島利男 1


広島清美、4イニングを無安打

 大和は初回、一死後苅田久徳が左前打で出塁、鈴木秀雄は左飛に倒れるが小松原博喜が四球を選んで二死一二塁、小島利男が中前にタイムリーを放って1点を先制する。

 大和は3回、先頭の木村孝平がストレートの四球で出塁、二死後木村が二盗に成功、小松原が四球を選んで二死一二塁、又も小島が右前にタイムリーを放って2-0とする。


 大和は4回、先頭の岡田福吉がレフト線に二塁打、石田光彦は三振に倒れるが、呉新亨が中前にタイムリーを放って3-0、呉が二盗を決め、木村の三ゴロをサード中村信一が一塁に悪送球、呉は三塁に止まり、打者走者の中村は二塁に進んで一死二三塁、ここで苅田がレフトスタンドにスリーランホームランを叩き込んで6-0、更に鈴木秀雄が右中間に三塁打、小松原の左前タイムリーで7-0、小島の左越え二塁打で一死二三塁、金子裕の二ゴロをセカンド鵜飼勉が二塁に悪送球、三走小島の生還には金子に打点が記録され、二走小島もホームに還って9-0とする。


 大和は先発の石田光彦が5回で降板して6回から広島清美がマウンドに上がる。広島は4イニングを無安打1死球無三振無失点に抑え、当ブログルールによりセーブが記録される。


 4イニングを無失点に抑えた広島清美は2年間のプロ生活で11試合に登板して通算成績は1勝4敗。現在の記録に照らすとセーブを記録していることは、当ブログが発掘するまで誰も知らなかった。


 大和は小島利男が猛打賞、苅田久徳、鈴木秀雄、岡田福吉もマルチヒットを記録した。一方、西鉄は中村民雄が2安打を放ったのみの完敗であった。



18年 朝日vs南海 5回戦


7月6日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 4 0 0 0 0 0 0 4 朝日 21勝15敗2分 0.583 林安夫
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 南海 16勝21敗1分 0.432 長沼要男 丸山二三雄

勝利投手 林安夫   11勝7敗
敗戦投手 長沼要男 2勝3敗

二塁打 (朝)坪内

勝利打点 酒沢政夫 1


酒沢政夫決勝打、坪内道則が並列の殊勲者

 南海は初回、二死後中野正雄が左前打、堀井数男もレフト線にヒットを放って二死一二塁、しかし八木進は一飛に倒れて先制はならず。

 南海は2回、一死後長沼要男が中前打、長谷川善三も中前打、加藤喜作が四球を選んで一死満塁、トップに返り猪子利男の二ゴロの間に三走長沼が還って1点を先制する。


 朝日は3回、一死後広田修三の当りは三ゴロ、しかしこれをサード増田敏が一塁に悪送球、原秀雄が四球を選んで一死一二塁、トップに返り坪内道則が左中間に二塁打を放って1-1の同点、酒沢政夫が右前にタイムリーを放って2-1と逆転、南海ベンチはここで先発の長沼要男から丸山二三雄にスイッチ、しかし丸山がボークを犯して三走坪内が還り3-1、中谷順次が中前打を放って一死一三塁、浅原直人の中飛で三走酒沢がタッチアップからスタート、センター猪子からのバックホームはタイミングはアウトであったがキャッチャー八木が落球して4-1とする。記録はエラーで犠飛にはならない。


 南海二番手の丸山二三雄は4回に早川平一にバントヒットを許しただけで5回以降朝日打線を無安打に抑えたが味方の反撃はなかった。


 林安夫は4安打3四球7三振の完投で11勝目をマークする。


 勝利打点は決勝打を放った酒沢政夫に記録され、同点二塁打の坪内道則も「並列の殊勲者」であった。



2016年11月23日水曜日

18年 南海vs西鉄 7回戦


7月5日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 1 0 5 3 0 0 0 0 11 南海 16勝20敗1分 0.444 別所昭
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  西鉄 12勝22敗3分 0.353 重松通雄 真野常照 近藤貞雄

勝利投手 別所昭   11勝9敗
敗戦投手 重松通雄 5勝12敗

二塁打 (南)中野 (西)野口明
三塁打 (南)増田

勝利打点 別所昭 2

猛打賞 (南)猪子利男 2


別所昭、今季7度目の完封

 南海は初回、二死後中野正雄がストレートの四球で出塁、堀井数男も四球を選び、捕逸で二者進塁して二死二三塁、別所昭が中前にタイムリーを放って2点を先制する。

 南海は3回、先頭の増田敏が四球を選ぶと二盗に成功、長谷川善三の遊ゴロの間に増田は三進、加藤喜作は浅いセンターライナーに倒れて二死三塁、トップに返り猪子利男が二遊間にタイムリーを放って3-0とする。


 西鉄ベンチは3回から先発の重松通雄に代えてプロ入り初登板の真野常照をマウンドに送る。


 南海は4回、先頭の別所が右中間にヒット、八木進が左前打を放ち無死一二塁、増田が送りバントを決めて一死二三塁、長谷川は投ゴロに倒れるが加藤が四球でつないで二死満塁、トップに返り猪子が左前にタイムリーを放って4-0、岡村俊昭がストレートの押出し四球を選んで5-0、更に中野正雄が左中間を深々と破る走者一掃の二塁打を放って8-0として試合を決める。


 南海は5回、先頭の八木が四球で出塁、増田の右中間三塁打で9-0、長谷川は二飛に倒れるが、加藤が右前にタイムリーを放って10-0、トップに返り猪子は四球、岡村も四球を選ん一死満塁、中野は三振に倒れて二死満塁、堀井の一塁へのタイムリー内野安打で11-0とする。


 南海先発の別所昭は初回に先制タイムリーを放つと、投げては西鉄打線を鵜飼勉の右前打と野口明の右中間二塁打2本に抑え、4四球2三振で今季7度目の完封、11勝目をあげる。完封数では6度で並んでいた林安夫を抜いて単独トップに立った。7個の完封はすべて4安打以内と優秀なもの。


 南海の攻撃では3点リードで迎えた4回の攻撃で見せた増田敏の送りバントが効いた。追加点が欲しい場面での送りバントは有効で、九番に入るベテラン加藤喜作が四球でつないで大量得点に結びつけたところが功名が辻であった。


 プロ入り初登板の真野常照は3イニングを投げて7安打7四球8失点、自責点7。一宮中学から入団したサウスポー真野のプロでの登板はこの試合のみで、通算防御率は21.00、被安打7、与四球7、自責点7の記録が残っている。