2017年8月17日木曜日

18年 阪急vs朝日 11回戦


10月4日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 2 0 1 1 0 0 5 阪急 26勝43敗2分 0.377 笠松実 天保義夫
0 0 0 3 0 0 0 0 0 3 朝日 36勝28敗6分 0.563 真田重蔵 内藤幸三

勝利投手 笠松実 7勝10敗
敗戦投手 真田重蔵 11勝10敗
セーブ 天保義夫 2

二塁打 (急)上田
三塁打 (急)笠松 (朝)大友

勝利打点 上田藤夫 4


天保義夫、好リリーフ

 阪急は3回、先頭の伊藤健一が四球で出塁、中村栄の三塁線バントが内野安打となって無死一二塁、トップに返り山田伝のニゴロで中村は二封、上田藤夫は浅い右飛に倒れるが、下社邦男が四球を選んで二死満塁、三木久一の三ゴロをサード中谷順次がエラーする間に三走伊藤が還って1点を先制する。

 阪急は4回、先頭の池田久之が中前打、笠松実の二前へのプッシュバントが内野安打となって無死一二塁、伊藤の投前バントをピッチャー真田重蔵が三塁に送球して二走池田は三封、中村が四球を選んで一死満塁、トップに返り山田が中前に2点タイムリーを放って3-0とリードを広げる。

 朝日は3回まで3イニング連続三者凡退。

 朝日は4回、先頭の坪内道則がストレートの四球を選んで出塁、森本清三が二遊間にヒットを放ち無死一二塁、酒沢政夫の二ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、中谷が四球を選んで一死満塁、小林章良は三邪飛に倒れて二死満塁、大友一明が右中間に走者一掃の三塁打を放って3-3の同点に追い付く。

 阪急は6回、一死後中村がライト線にヒット、トップに返り山田の二ゴロの間に中村は二進、上田が三塁線を破る二塁打を放って4-3と勝ち越す。

 阪急は7回、一死後松本利一が三塁に内野安打、5回から池田に代わってマスクを被っている安田信夫は三振に倒れるが、笠松実が左中間に三塁打を放って5-3と突き放す。

 朝日は8回、先頭の酒沢がセンター右にヒット、中谷の三ゴロをサード伊藤が二塁に送球するがセーフ、野選が記録されて無死一二塁、キャッチャー安田からの牽制球に二走酒沢が戻れず「2-6-5」でタッチアウト、盗塁死は記録されていないのでディレードスチールではない。この間に一走中谷は二塁に進み、小林は四球、大友も四球を選んで一死満塁、阪急ベンチはここで先発の笠松から天保義夫にスイッチ、田中雅治は三振、大島渡も三振に倒れてスリーアウトチェンジ。

 天保義夫は9回も三者凡退に抑え、1回3分の2を無安打無四球2三振無失点の好リリーフで今季2個目のセーブを記録する。

 阪急が快勝した試合であったが、目に付いたのは朝日の大友一明が放った満塁走者一掃の三塁打であった。大友は少年野球時代は松井栄造と同僚、島田商業から昭和11年に大東京入りし、同年4月29日の名古屋戦で記録した盗塁が、プロ野球史上公式戦初の盗塁とされている。応召後復帰し、戦後まで活躍を続ける。



*昭和11年4月29日の大東京vs名古屋戦では、大友一明と筒井良武が盗塁を記録しているが、プロ野球史上公式戦初の盗塁は大友一明とされている。であれば、名古屋は盗塁を記録していないので、第2号は筒井良武となる。


 

2 件のコメント:

  1. 昭和47年の日刊スポーツの記事によりますと、大友一明は3回裏2死後に四球で出塁して盗塁を決めています。また1回裏1死一、二塁の場面では大友が三振したあと、二塁走者の木全竹雄が三盗を企てて刺され、最初の盗塁死が記録されました。筒井良武のついては書かれていませんでした。

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  2. 写真は昭和11年5月25日発行「日本職業野球聯盟公報」第二号です。
    たばともさんとeiji1917さんの貴重な資料をどう活用していくか、今後の課題ですね。

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